仮想通貨の市場は「いつ開いているのか」が初心者の方にとっては分かりにくいテーマです。
結論から言えば現物は基本24/7で動き続けますが、金融商品や取引プラットフォームによって時間帯が変わります。
まずは全体像をつかみ、次に日本時間での感覚に落とし込むのが近道です。
新規上場の直前直後は出来高とボラティリティが高まりやすく、時間帯の肌感をつかむうえでも重要なシグナルになります。上場予定の最新情報を確認したい場合はこのリンクでチェックしてください。
そもそも「Crypto market hours」とは何を指すのか
「Crypto market hours」はひとことで言えば「仮想通貨関連の各市場が実際に売買できる時間帯」のことです。
同じ“仮想通貨”でも、スポット(現物)、先物・無期限(パーペチュアル)、ETF、CFDなどで営業時間は違います。
ひとつの正解時間があるのではなく“商品ごと・取引所ごとに時間設計が違う”点を最初に押さえると迷いません。
現物(スポット)は原則24時間365日
多くの中央集権型取引所の現物板は年中無休で稼働し、土日や祝日でも売買が入ります。
つまり「開場・閉場」という概念は伝統株式市場ほど強くなく、24/7で約定が進むのが基本設計です。
とはいえ、全銘柄が同じ厚みで取引できるわけではなく、流動性は時間帯と銘柄で差が明確。
BTCやETHの主力は板が厚く、ニッチ銘柄ほど時間帯によるブレが出やすい傾向です。
この“厚み”の違いがスプレッドや滑りに影響します。
例外とメンテナンスを知っておく
現物が24/7でも、取引所側のシステム保守で一時的に入出庫や一部機能が停止する場合があります。
計画メンテは事前告知されるのが通例で、停止対象は「送受金のみ」や「一部ネットワークのみ」など限定的なことも多いです。
また、ブロックチェーン側の混雑やアップグレードでも遅延が起きます。
このため「板は動くが送金は遅い」などの時間帯が発生し得るのです。
デリバティブや伝統市場連動商品の“時間割”
同じビットコインでも、先物・ETF・CFDでは“開いている時間”が異なるのです。
商品別の代表例を日本時間の目線で掴んでおくと、取引計画が立てやすくなります。
CMEビットコイン先物の時間
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物はCMEGlobexで日次の休止を挟む設計です。
中央時間(CT)で日曜〜金曜の17:00〜翌16:00に取引でき、毎日16:00〜17:00が1時間の休止となります。
日本時間の目安は夏時間で07:00〜翌06:00が連続セッション、06:00〜07:00が休止というイメージです。
米国のビットコインETF(例IBIT)の時間
ETFは“株式市場の商品”なので、基本は取引所のコア時間に連動する形です。
NYSEArcaの場合のコアは09:30〜16:00(ET)、加えてプレマーケットやアフターの時間帯も設定されています。
日本時間の目安は夏時間で22:30〜05:00がコア、ほかに早朝や早夜の拡張時間があるという理解で十分です。
CFD(差金決済取引)の時間
FX系ブローカーの仮想通貨CFDは“24時間×5営業日”のことが多く、週末はクローズします。
FOREX.comの案内では日曜23:00〜金曜23:00(CET)が取引時間の目安です。
「土日は売買できない」という点が現物と大きく異なるため、ポジション持越しの考え方も変わります。
1日の中で起きる“流動性の波”
現物は24/7でも、時間帯で出来高と板の厚みは動きます。
欧州と米国の営業時間が重なる帯で厚くなりやすく、逆に週末深夜のニッチ時間は薄くなりがちです。
流動性は価格の“動きやすさ”と“滑りやすさ”の両方に関わるため、時間帯を意識した発注設計が有効的。
日本時間の体感に直すと、夜〜深夜が相対的にアクティブ、平日早朝や週末は相対的に静かな場面が増えます。
板の厚い銘柄と薄い銘柄で温度差がある点も忘れないでください。
日本時間で覚えておくと便利な“区切り”
無期限先物(パーペチュアル)では、資金調達料(Funding)が一定間隔で発生します。
Binanceのデフォルトは8時間サイクルで00:00、08:00、16:00(UTC)です。
JST換算だと09:00、17:00、01:00が目安になり、この瞬間にポジションを持っていると支払いや受け取りが発生。
このほか、取引所や商品によっては日次リセットや建玉評価の更新タイミングが設けられています。
スイング派はこれらの区切りとスプレッドの広がりやすさを事前に確認しておくと安心です。
「いつ取引するのが良いのか」の現実的な考え方
万人に共通の“最良時間”はありません。
目的が短期の板取りであれば厚い時間帯のほうがスリッページを抑えやすく、長期の積立なら時間分散のほうが効果的です。
イベントドリブンで動くなら米国指標発表やETF市場のコア時間に注意し、静かな時間帯に成行で飛び込むリスクは避けるのが定石。
また、現物と先物・ETF・CFDでは“開いている時間”がそもそも違うため、ストップ・指値・証拠金の設計も別物。
この前提を取り違えると、意図せぬ持越しやギャップの被弾につながります。
日本時間サマリーの“目安”
ここまでの要点をJSTでざっくり並べると、現物は常時稼働。
CME先物はおおむね07:00〜翌06:00(夏時間の目安)で06:00〜07:00に休止。
米ETFは夏時間のコアが22:30〜05:00、プレ・アフターありで、CFDは平日24時間で土日クローズという認識で問題ありません。
この“目安”を頭に入れ、流動性の厚い帯とFundingなどの区切り時刻を重ねて自分の型に落とし込むのが現実的です。
まとめ
当記事の要点は3つです。
現物は24/7だが、ETFやCFD、CME先物は所定の時間がある。
時間帯で流動性はゆらぎ、重なる営業時間帯ほど板は厚くなる傾向。
Fundingや日次更新など“区切り”の瞬間はコストや価格形成が変わりやすい。
日本時間での“目安”を手元メモにしておくと、発注のタイミング設計とリスク管理がぐっと楽になります。